大河ドラマ『べらぼう 第11回 富本、仁義の馬面』では、青本が再び登場しますが、その色は黄緑色なのに、なぜ青本と呼ばれるのだろうか?と思った方は多いでしょう。
そこで、なぜ黄緑色の本なのに、青本と呼ばれたのか?その理由について紹介しましょう。
大河ドラマ『べらぼう』のキャスト
大河ドラマ『べらぼう』のキャストについて、詳しく紹介しています。
市中の人々
- 蔦屋重三郎(俳優:横浜流星)地本問屋『耕書堂』の主人
- てい(俳優:橋本愛)蔦屋重三郎の妻
- 喜多川歌麿(俳優:染谷将太)蔦屋重三郎を兄のように慕う浮世絵師
- つよ(俳優:高岡早紀)蔦屋重三郎の母
- みの吉(俳優:中川翼)日本橋進出後の耕書堂の手代
- たか(俳優:島本須美)耕書堂の女中
- 須原屋市兵衛(俳優:里見浩太朗)書物問屋『須原屋』の主人で、蔦屋重三郎と親交が深い
- 鶴屋喜右衛門(俳優:風間俊介)日本橋通油町の地本問屋『鶴屋』の主人
- 西村屋与八(俳優:西村まさ彦)地本問屋『西村屋』の主人
- 岩戸屋源八(俳優:中井和哉)地本問屋
- 村田屋治郎兵衛(俳優:松田洋治)日本橋通油町の地本問屋
- 奥村屋源六(俳優:関智一)日本橋の地本問屋
- 松村屋弥兵衛(俳優:松田洋治)日本橋通油町の地本問屋
- 鱗形屋孫兵衛(俳優:片岡愛之助)鱗形屋の主人
将軍家・御三家・御三卿
- 徳川家治(俳優:眞島秀和)江戸幕府第10代将軍
- 知保の方(俳優:高梨臨)家治の側室で、気性が荒い性格
- 高岳(俳優:冨永愛)大奥で権勢を振るう人物
- 大崎(俳優:映美くらら)豊千代の乳母
- 徳川家斉(俳優:長尾翼)徳川家治の後継者
- 徳川治貞(俳優:高橋英樹)御三家・紀州藩の藩主であり、名君として名高い
- 一橋治済(俳優:生田斗真)御三卿・一橋家の当主であり、野心家
- 清水重好(俳優:落合モトキ)御三卿・清水家の当主
- 田安治察(俳優:入江甚儀)御三卿・田安家の当主で、賢丸の兄
幕臣や諸大名たち
- 田沼意次(俳優:渡辺謙)幕府の財政難に立ち向かう老中
- 田沼意知(俳優:宮沢氷魚)田沼意次の嫡男であり、非業の死を遂げる人物
- 田沼意致(俳優:宮尾俊太郎)田沼意次の甥
- 松平武元(俳優:石坂浩二)田安賢丸のために奔走する老中
- 三浦庄司(俳優:原田泰造)田沼家用人
- 長谷川平蔵宣以(俳優:中村隼人)のちに鬼平と呼ばれる人物
- 松本秀持(俳優:吉沢悠)勘定吟味役
- 土山宗次郎(俳優:栁俊太郎)田沼派の官僚
- 松平康福(俳優:相島一之)江戸幕府の老中
- 水野忠友(俳優:小松和重)江戸幕府の老中
- 佐野政言(俳優:矢本悠馬)騙されて凶行に走る旗本
- 島津重豪(俳優:田中幸太朗)九州の薩摩藩の藩主
- 松前道廣(俳優:えなりかずき)蝦夷の松前藩の藩主であり、冷酷非情な性格
- 松前廣年(俳優:ひょうろく)松前藩の江戸家老
- 松平定信(俳優:井上祐貴)寛政の改革を行う人物で、田沼意次を強く憎む
吉原の人々
- 瀬川(女優:小芝風花)蔦屋重三郎と親しい花魁
- 九郎助稲荷(女優:綾瀬はるか)江戸の語り手
- 次郎兵衛(俳優:中村蒼)蔦屋重三郎の兄
- 鱗形屋孫兵衛(俳優:片岡愛之助)地本問屋『鱗形屋』の主人
- 誰袖(俳優:福原遥)大文字屋の花魁
- りつ(俳優:安達祐実)芸者の見番『大黒屋』の女将
- とく(俳優:丸山礼)次郎兵衛の妻
- ふじ(俳優:飯島直子)駿河屋の女将で、蔦屋重三郎の養母
- 駿河屋市右衛門(俳優:高橋克実)引手茶屋『駿河屋』の主人であり、蔦屋重三郎の養父
- 扇屋宇右衛門(俳優:山路和弘)女郎屋『扇屋』の主人
- きく(俳優:かたせ梨乃)浄念河岸の女郎屋『二文字屋』の女将
- 留四郎(俳優:水沢林太郎)蔦屋の奉公人
- 若木屋与八(俳優:本宮泰風)女郎屋『若木屋』の主人
- 半次郎(俳優:六平直政)そば屋『つるべ蕎麦』の店主
- 松の井(俳優:久保田紗友)気性が荒い花魁でも、うつせみを応援してあげた人物
- いね(俳優:水野美紀)松葉屋の女将
- 志げ(俳優:山村紅葉)大文字屋で働きながら、誰袖を心配する人物
- 松葉屋半左衛門(俳優:正名僕蔵)松葉屋の主人
- 丁子屋長十郎(俳優:島英臣)女郎屋『丁子屋』の主人
- 大文字屋市兵衛(伊藤淳史)女郎屋『大文字屋』の二代目で、父とは違い温厚な性格
絵師・戯作者・狂歌師
- 大田南畝(俳優:桐谷健太)御家人にして狂歌師
- 恋川春町(俳優:岡山天音)小島松平家の内用人
- 朋誠堂喜三二(俳優:尾美としのり)佐竹家江戸留守居役であり、人気の高い戯作者
- 北尾重政(俳優:橋本淳)板本の挿絵を手掛ける人気絵師
- 北尾政演(俳優:古川雄大)重政の弟子であり、絵師
- 北尾政美(俳優:高島豪志)重政の弟子であり、耕書堂の仕事を請け負う絵師
- 鳥山石燕(俳優:片岡鶴太郎)喜多川歌麿に強い影響を与える絵師
- 勝川春章(俳優:前野朋哉)役者絵で、人気の高い絵師
- 朱楽菅江(俳優:浜中文一)狂歌師
- 元木網(俳優:ジェームス小野田)湯屋の主人であり、狂歌師
- 智恵内子(俳優:水樹奈々)女流狂歌師
- 宿屋飯盛(俳優:又吉直樹)狂歌師
- 唐来三和(俳優:山口森広)戯作者
- 志水燕十(俳優:加藤虎ノ介)御家人であり、戯作者
- 芝全交(俳優:亀田佳明)戯作者
- 平賀源内(俳優:安田顕)江戸時代で有名な蘭学者
- 富本豊前太夫(俳優:寛一郎)馬面太夫と呼ばれる人物
- 市川門之助(俳優:濱尾ノリタカ)歌舞伎役者
蔦屋重三郎と関わる人物たち
- ふく(俳優:小野花梨)うつせみという名前の元花魁で、今は足抜けして夫と幸せに暮らす人物
- 小田新之助(俳優:井之脇海)うつせみの夫
- 平秩東作(俳優:木村了)内藤新宿で商いを行う人物
- 長七(俳優:甲斐翔真)短期で喧嘩っぱやい所がある性格
- 鳥山検校(俳優:市原隼人)幕府から保護される盲人
大河ドラマ『べらぼう 第11回』のストーリー
鶴屋喜右衛門は、蔦屋重三郎が新たに出してきた本を読んだ後に「この本は売れません」と言い切って、周りから「でも、これは良い本だよぉ」と心配されます。
「それはまぁ、私たちが読むとハッとしますが、この本が好きなのはよほどの吉原好きじゃないですかねぇ」
その指摘は現実となり、蔦屋重三郎の本の売れ行きはよくなくて、そんな時に若木屋与八がやってきて、忘八の旦那たちに絶縁宣言をしてしまったのです。
忘八の旦那たちは「お前、それを言うために言いに来やがったのか!」と憤り、りつは「あっちに取り込まれたって事だろう」と吐き捨てました。
日光社参が行われて、江戸っ子たちは、その長い行列を見て「凄いなぁ」と感動していると、大文字屋市兵衛は「こういう事だよな」と、ある事を思いつきます。
その頃、蔦屋重三郎は思ったように本が売れず、借金だけが残ってしまったと落ち込みますが、須原屋市兵衛から「一見ぐらいで、しょげる事はねぇじゃねぇか」と励まされます。
蔦屋重三郎は、忘八の旦那たちに呼ばれたので『なんだろう?』と思いながら、行くと、大文字屋市兵衛から「俄かをするんだよ」と言われて、催しものをする事になりました。
そのために、馬面太夫と呼ばれた人物に協力をあおぐ事になり、蔦屋重三郎は歌舞伎をみる事になりますが、馬面太夫と呼ばれている富本豊前太夫を見て、その美しさに感動します。
蔦屋重三郎は外で転んでしまうと、富本豊前太夫に優しく接してもらいますが「吉原の祭りに来てもらいたいんですけど」と頼むと「悪いが、吉原は好かないんだよ」と言われてしまいます。
『どうしたものか』と悩ませてしまいますが、かをりから「一緒にいつか芝居を見たい」と抱きつかれた時に「そうだ」とひらめきます。
蔦屋重三郎は、富本豊前太夫や富本豊前太夫たちのもとを訪ねて、多くの女郎たちを連れて、もてなしてあげるのです。
盛り上がる中、いよいよお開きになる時に、蔦屋重三郎は「ほんの少しでいいのですが、富本を聞かせてあげてくれませんか?」と頼むと、快く返事をしてくれました。
富本豊前太夫や富本豊前太夫たちは、見事な富本を見せてあげると、女郎たちは芝居を見た事もなかったので、あまりの嬉しさに涙を流します。
富本豊前太夫や富本豊前太夫たちは「こんな座興で?」と驚くと、蔦屋重三郎は「慣れていないんですよ、一度も芝居も見ず、この世に別れを告げる者もいます」と説明されます。
蔦屋重三郎は「吉原には、太夫の声を聞きたい女郎が1000も2000もおります。なんとか祭りで、その声を響かせてあげられませんか?」と頼むと「やろうじゃないか」と即答されます。
「…え?」「こんな涙を見せられて、断れる男がどこにおる?なぁ」「あぁ」
富本豊前太夫や富本豊前太夫たちは、そう言って、吉原の祭りに参加してくれる事を約束してくれたのです。
黄緑色なのに青本と呼ばれた理由
日本は、古来より新緑のことを青々としたと表現してきたので、黄緑色の本なのに『青本』と呼ばれてきました。
そのため、大河ドラマ『べらぼう』でも、黄緑色の本なのに、青本と呼ばれている訳なんですね。
しかし、この青本には多くの商人たちが火花を散らすほど、激しい商戦が繰り広げられていて、蔦屋重三郎は何度も四苦八苦していく事になります。
青本は、どちらかと言えば、大人向けの本であり、あの有名な忠臣蔵の物語も青本として売られていました。
大河ドラマ『べらぼう 第11回』の感想
鶴屋喜右衛門は性格の悪い男ですが、その目は確かであり、蔦屋重三郎の本の売れ行きはよくないだろうと予想したら、その通りになりました。
いくら良い商品やサービスを提供したとしても、それが売れるとは限らないのは、現代と通じるものがあります。
富本豊前太夫たちは、吉原を嫌っていましたが、女郎の姿を見て考えを改める所は、見ていて感じ入るものがありましたね。