朝ドラ『ばけばけ』では、松野トキ(女優:髙石あかり)が、父親の事業の失敗で、多くの借金を抱えながらも、へこたれずにがんばっていきます。
そんな朝ドラ『ばけばけ』の名言を82個まで紹介するので、参考にしてみて下さい。
世界一のママさん(朝ドラ『ばけばけ 第1回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第1回』で、松野トキ(女優:髙石あかり)は、レフカダ・ヘブン(俳優:トミー・バストウ)に、耳なし芳一の話をしてあげます。
しかし、レフカダ・ヘブンには分からない日本語があったので、その意味について聞かれるので、すぐに調べて外国語で教えてあげました。
松野トキは、自分に自信が持てず、投げやりになりますが、レフカダ・ヘブンから「世界一のママさん」と褒め称えられます。
もしも、身分が高いままであれば、このように親切に耳なし芳一の話をしてくれなかったという意味が込められていて、奥さんにしてみれば、最高の褒め言葉であり、名言でしょう。
松野トキは、武家の生まれですが、運悪く、江戸から明治へ時代が変わり、武士の時代が終わったばかりの頃でした。
この時代は、おおくの武士たちが、商いを始めたり、家族を売ったりして、生計を立てていました。そのため、松野トキは不遇の一生を送る事になります。
それが、なぜ、レフカダ・ヘブンと幸せな日々を送れるようになるのか?その経緯が分かる所が、朝ドラ『ばけばけ』の見所でしょう。

夜だけど、朝なのよ(朝ドラ『ばけばけ 第1回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第1回』で、松野トキ(女優:髙石あかり)は、レフカダ・ヘブン(俳優:トミー・バストウ)からキスされそうになってしまいます。
外で、蛇や蛙たちが、たまらず「今は夜だけど、朝なのよ」と焦ってしまいます。
これは、一目があるかもしれないから、今は夜だけど、朝だと思って、踏みとどまってと言いたかったのでしょう。
少し変わった名言になってしまいましたが、蛇や蛙なりに、二人を大事に思っているからこその言葉だったと言えますね。
武士をひきずっている訳にはいかない(朝ドラ『ばけばけ 第1回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第1回』で、松野トキの父親が、丑三つ時に呪いをかけていましたが、それをクラスメートの男子に目撃されてしまいます。
翌日になると、学校で男子たちから「見たぞ、お前の父親は働きもしないで、何をやっているんだ?」と批判されてしまいます。
多くの男子たちも集まって「働け!働け!働け!働け!働け!働け!」と茶化してしまい、女子が仲裁に入ろうとしたら、教師がやってきて言い放ちます。
「皆んな、商いとか色々と働いちょる。いつまでも、武士をひきずっている訳にはいかない」
江戸から明治の時代に変わり、武士は職を変えて働かなくてはいけない時代になってしまったとは言え、これは松野トキにとって、辛い名言になってしまいました。
武士の娘は金を稼いだりしません(朝ドラ『ばけばけ 第2回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第2回』で、松野トキは、雨清水タエ(女優:北川景子)に「今日で、お稽古を最後にしたいと思います」と打ち明けて、学校の先生になって家族を養おうとしました。
しかし、その考えを聞いて、雨清水タエは厳しく問いただします。
「おトキ、あなたは何ですか?」「…私は、武士の娘です」「武士の娘は金を稼いだり致しません。たしなみを身につけて、いずれ夫や一家を支える。それが武士の娘」
「つまり、武士の娘は先生などなりません。もちろん。他の商いも。そうですよね、おトキさん?」
タエは、その言葉を否定する事ができなかったのですが、それほど雨清水タエの言葉に、間違いはなく、力強いものがありました。
雨清水タエは、上級武士の家系であり、夫よりも家格が上だったので、周りに気兼ねせず生きられる人物でした。
そういったこともあり、まだまだ武士の時代が終わったとは認めたくなくて、このような名言が飛び出したのでしょう。

おフミが作るしじみ汁になりたいのぉ(朝ドラ『ばけばけ 第2回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第2回』で、松野司之介(俳優:岡部たかし)は、妻・フミ(女優:池脇千鶴)が作った味噌汁を食べながら、自分の素直な気持ちを打ち明けます。
「あぁ、美味い。わしがしじみで、人様から食われる定めだったとしたら、おフミが作るしじみ汁になりたいのぉ」
その言葉に対して、妻は「よう分かりませんけど、ありがとうございます」とお礼を言います。
フミには、その言葉の意味がよく分からなかったようですが、自分の事を愛してくれていて、感謝している事だけは分かったので感謝したのでしょう。
武士の時代は、とうに終わりじゃ(朝ドラ『ばけばけ 第2回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第2回』で、雨清水タエがトキに、武士の娘が何たるかをさとしていたら、そこに雨清水傳(俳優:堤真一)がザンギリ頭になって現れました。
タエは「あなた、それは一体?」と驚くと「気づいたか?今日は初めて理髪店に行ってきたのだが、むずがゆかったぞぉ。しかし、誰も似合っているとは言わないんじゃなぁ」と笑い飛ばします。
トキは「凄く、凄くお似合いでございます」と褒め称えると「ありがとうな、おトキ」と言うと、フミは「なぜ、そのお姿に?」と聞いてみます。
「まぁ、つきなみじゃが時代じゃな。武士の時代は、とうに終わりじゃ」
そう、あっけらかんと話しますが、タエの綺麗なおでこに縦ジワが入り、般若のような恐ろしい顔に変わっている事に気づき「なので、初めて話すのじゃが」と言おうとします。
トキが「何でございますか?」と聞くと「また、あとにするか」と言われるので「今、申しなさい!」と激怒します。
「はっ!近いうちに、わしはここで織物の工場をしようと思う」「工場?工場?工場?工場?工場を始めるというのは?」「つまり、商いを始める」
タエは『信じられない』と思いますが、トキは叔父の立派な姿や考えに心酔して「叔父さんは素敵で、なぜ、うちの父上はあげな」とぼやいてしまうのです。
松江1のうさぎ長者じゃぞ(朝ドラ『ばけばけ 第3回』の名言)
朝ドラ『ばけばけ 第3回』で、松野司之介(俳優:岡部たかし)は、親戚が商いを始めようとしていると知ってか?自分も商いを始める事にしました。
お城務めの仲間だった金成初右衛門(俳優:田中穂先)から、うさぎの商いを紹介されて、自分もうさぎを利用して商いを始めようとしていたのです。
この当時は、うさぎが高値で売られていて、5円だったうさぎが、600円で売れる事もあって、松野司之介は『これなら、すごく儲かる』と思ったのです。
しかし、妻のフミは「すごいと申しますか、怪しすぎます」と疑ってしまいます。
松野司之介は「わしは、松江1のうさぎ長者じゃぞ!」と浮かれて、大笑いしました。
しかし、松野司之介は「ちょっと出る」と言ってから、家に帰らずに、フミは「ちょっとで帰る」と言っていたのにと心配してしまいます。
トキは、眩しい所へ連れて行かれる一行の中に、金成初右衛門らしき人物もみかけて「あの人は?」と戸惑ってしまいまうのです。

人を見る目だけは確か(朝ドラ『ばけばけ 第3回』の名言)
松野フミは、夫がうさぎを利用して商いをしようとしますが、さすがに5円だったうさぎを600円で売れるという話は、できすぎていると思ってしまいます。
しかし、司之介は金成初右衛門を信頼しきっていて「わしは、人を見る目だけは確か」と言って、だからフミとも一緒になれたような事を言いました。
さすがに、自分の事をよく思ってくれての言葉もあって、フミは、それ以上、反対する事ができなくなってしまいました。
トキも『父上は、無理をしているのではないか?』と心配してしまいますが、父はしばらく家に帰ってこなくて、不穏な空気がただよってしまうのです。
あなたがいないと美味しくないのよ(朝ドラ『ばけばけ 第4回』の名言)
松野司之介は、多くの金を借りて一気にボロ儲けしようとしていたのに、うさぎ相場が暴落してしまって、一気に多くの借金を抱えることになりました。
このままでは、華族に会わせる顔がないと思って、水辺で一人でいると、娘のトキから帰るようにせがまれてしまいます。
それでも、家には帰りづらいと思っていると、そこに妻のフミもやってきて「あなたがいないと(食事が)美味しくないのよ」と打ち明けられます。
今まで、貧乏暮しの時でも、トキが「はぁ〜」と言った時に「武士の娘がはしたない。はぁ〜とか言うな」とよく言い合っていましたが、家族にとってはかけがえのない時間だったのです。
妻子がそろって頼んできたので「トキ、よく言ってくれた。いい娘に育ってくれたな。それでは明日から働いてもらうが良いな」と言い出します。
トキは『どういう事?』と思ってしまいますが、その時になって、ようやく、うさぎの相場が暴落して借金を抱え込んで、学校へ行かせるお金も無くなった事を打ち明けました。

武士には武士の死に方というものがある(朝ドラ『ばけばけ 第4回』の名言)
松野司之介が、家に帰ってこなかった頃、トキやフミたちは、どざえもん(水死体)があがったと聞いて、まさかと思って、現場に駆けつけます。
近くにいた人物が、ゆっくりと、どざえもんの顔にかかっていた物を取り、司之介ではない事を知って、トキやフミたちは「良かったぁ」とつぶやきます。
遺族は「何が良かったね!と怒ってしまい、謝るハメになってしまいました。
二人は、家に帰ると、松野勘右衛門(俳優:小日向文世)から「武士には武士の死に方がある」と言われて、どざえもんになるような死に方はもってのほかという考えでした。
かつて、武士たちは戦で死ぬか?切腹するか?美しい散り際を大事にしていたので、勘右衛門が、どのような最期か?こだわるのも無理はないでしょう。
(どざえもんであがる事を非難している訳ではなくて、あくまでも勘右衛門の考え方について記載しました)
ジャガジャガジャガジャガうるさいな(朝ドラ『ばけばけ 第4回』の名言)
松野トキは、父親が家に帰ろうとしないので「ジャガジャガジャガジャガうるさいな!何があったか知らないけど、生きているだけで十分」と訴えます。
トキの言葉や、フミからも説得されて、司之介は家に帰る事になりますが、まさか、学校へ行けなくなるとは予想もしていなかったでしょう。
家に帰り、美味しそうなお汁が振る舞われますが、祖父は嫌な予感がしたのか?「これは、何を入れたものだ?」と聞いてみると、そこに入っていたのは、うさぎでした。
トキは『可愛い』と思っていたうさぎを食べてしまったとは思ってもいなくて、さらに追い打ちをかけらたような気分になってしまいました。
女子が生きていくには身を売るか男と一緒になるしかない(朝ドラ『ばけばけ 第5回』の名言)
18歳になった松野トキ(女優:髙石あかり)は、外へ出ると、ある男が立ち小便を始めてしまい、親友の野津サワ(女優:円井わん)と一緒に、悲鳴をあげてしまいます。
遊郭にある屋敷の二階の窓から、なみ(女優:さとうほなみ)が顔を出して「ちょっと、そんな所で」と声をかけてきました。
なみは外まで出てきて「飲み過ぎぃ」と笑ってしまいますが、野津サワが何か言い足そうな顔をしていたので、その理由を聞いてしまいます。
「なに、その目?」「別に、こげんな人から金を貰うなんて、悲しいなぁと思っただけです」「なにぃ!」
喧嘩になりそうだったので、トキは「今日の所は」と仲裁してあげます。
しかし、なみは「言っとくけどね、女子が生きていくには身を売るか男と一緒になるしかないんだからね」と言い放ちます。
野津サワは「そんな事ないよね」と聞きますが、トキは、その言葉に何も答えてあげられませんでした。
現代であれば、考えられない男尊女卑な考え方でしたが、当時はまだ女性だけで生きていくのは難しい時代であり、ようやく工場で働ける時代になったぐらいでした。
そういった事を考えれば、日本は性別に関係なく、一人で生きられる時代になったと言えますが、その代わり少子高齢化が進んでしまい、国家の危機にひんしています。
なみのこの名言は、まだまだ女性にとって苦しい時代を反映した名言といえますね。

思っていても口にしません(朝ドラ『ばけばけ 第5回』の名言)
松野トキや家族たちが、こんな苦しい生活をするようになったのは、司之介がうさぎに投資をするために、多くの金を借りてしまったからでした。
そのあとに、すぐ、うさぎの相場が暴落してしまい、トキは学校へ行けなくなってしまい、織物工場で働く事になったのです。
それでも幸運だったのは、親戚の雨清水傳の工場で働く事ができて、いろいろと目にかけてもらえた事でした。
雨清水傳は「これをフミさんに」と言って、カステラまで貰えて、すぐに母親に渡してあげると「さすがねぇ」と喜び合います。
司之介は、それが面白くなく「わしの事をかいしょうのない男だと思っているんだろう」と言うと、フミは「思っていても口にしません」と答えてしまいます。
ほぼ、言っているに等しい名言ですが、これを夫婦間で言ってしまうと、喧嘩になる可能性が高いので、要注意ですね。
借金に朝も夜もない(朝ドラ『ばけばけ 第5回』の名言)
ある日の朝、松野トキは家族と一緒に食事をしていたら、借金取りの森山善太郎(俳優:岩谷健司)がやってきたので、フミは「どうしましたか?」と聞いてみます。
わしがきたからには借金を取りに来たに決まっているでしょうと言わんばかりに、金を取り立てようとするので、司之介は「こんな朝からか」とウンザリとしてしまいます。
しかし、森山善太郎は「借金に朝も夜もない。多くの氏族から金を取り立てなくてはいけないから、忙しい」と言い放ちます。
これは集金のお仕事をしている方であれば『分かる』と思ってしまう名言かもしれませんが、お金を払う側にしたら、うんざりしてしまう言葉でしょうね。
信じるのは自分だけ(朝ドラ『ばけばけ 第6回』の名言)
松野トキは、由緒ある神社で、仲間と一緒に恋占いをする事になりましたが、自分だけが、なかなか良い相手と巡り会えないという結果になってしまいました。
周りの仲間からは「大丈夫よ、なかなか沈まなかった人もいたっていうから」と励まされますが、抜け殻のような感じになってしまい、落ち込んだ状態のまま帰宅します。
家では、あれだけ食事を楽しみにしてたのに、恋占いの結果が気になってしまい、いつまで経っても元気になれません。
見かねた父が「信じるのは自分だけ」と言ってあげますが、自分の大失敗で家族を貧乏暮らしにさせてしまったからか?あまりトキの心には響かなかったのです。
やはり、古来より、恋占いを信じる人は多くいるので、トキが恋占いを気にしてしまうのは仕方のない所でしょう。

当たるも八卦、当たらぬも八卦(朝ドラ『ばけばけ 第6回』の名言)
松野トキは、恋占いの結果から、いつまでも立ち直れず、母のフミは「当たるも八卦、当たらぬも八卦」とさとしてあげます。
この名言は、古来より言われている名言であり、占いというのは、当たる事もあれば、当たらない事もあるので、どんな結果になっても気にしすぎないようにという意味です。
この『八卦(はっけ)』というのは、占いを表す言葉であり、古代中国から伝わってきた易から生まれたものです。
代中国から伝わる易からうまれたもので、易の根源は宇宙、万物の根源である「太極」と言われます。
この易から、8つの記号から派生されており、これを八卦と呼ばれるようになった訳ですが、現代でも使われている事を考えたら、歴史のロマンを感じますね。
県知事閣下に売り込みに来るとは良い度胸の牛乳配達(朝ドラ『ばけばけ 第6回』の名言)
松野司之介は、なんとかトキに良い相手を探してあげようと思って、牛乳配達の仕事をしながら、県知事の家を訪れて、縁談の話をもちかけます。
しかし、身分が違いすぎたので、全く相手にされず「県知事閣下に売り込みに来るとは良い度胸の牛乳配達」と批判されてしまいました。
職場に戻ると、周りから「仕事をしながら、そんな話をするとは」と怒られてしまい、謝りに行こうとしたら「火に油をそそぐだけ」と止められます。
結局は、フミが親戚のタエに、頼む事になりますが、すでに準備を進めている事を教えられて「それなら、早く教えて欲しかったです」と言ってしまうのです。
ただ、呪うけんね(朝ドラ『ばけばけ 第7回』の名言)
松野トキが働く織物工場では、また新たに同僚が相手の男性を見つけて、結婚する事が決まりましたが、同僚は気を使って、それを言おうとはしません。
しかし、今回も雨清水三之丞がはしゃいでしまって、松野トキの耳に入る事になってしまい、同僚は「ごめん」と気を使ってしまいます。
松野トキは「なんで、謝るの?」と笑いながらも「ただ、呪うけんね」と、恐ろしい言葉をぽつりとつぶやいてしまいました。
この言葉に、同僚の仲間たちの表情が凍りつきましたが、松野トキは「冗談よぉ」と言って、顔は笑っていましたが、目は笑っていませんでした。

お前は座敷わらしか(朝ドラ『ばけばけ 第7回』の名言)
雨清水三之丞が、織物工場の女性たちと和気あいあいと喋っている時に限って、また兄がやってきて注意をしてきましたが、今回もやってきて「お前は座敷わらしか」と強烈な言葉をあびせます。
まだまだ中世から近世に移り変ろうとしていた時代だったので、日本古来の呼び名が浸透していたとは言え、なかなか嫌な兄弟ですね。
あさイチでも『さすがに座敷わらしは』と同情されてしまいましたが、今後も嫌味を言ってくるかもしれません。
ランデブーしないか(朝ドラ『ばけばけ 第7回』の名言)
松野トキは、周りの結婚を素直に喜べず、いつまでも素敵な相手が見つからなかったのですが、親戚の雨清水三之丞が「これから、ランデブーしないか?」と声をかけてきました。
今まで、聞いた事もない言葉だったので「ランデブーとは?」と聞くと「あいびきじゃな」と言われますが、ある山道を歩いていく事になります。
『ランデブーとは、こんなに辛いものか』と思ってしまいますが、山道をのぼりきったら、そこは怪談話で出てくる清光院という事が分かり、大喜びします。
雨清水三之丞は『清光院で、これだけ喜ぶとは、さすがおトキじゃな』と微笑みますが、本当に温和な性格という感じがしますね。
次は何を塗られるのか分かりません(朝ドラ『ばけばけ 第8回』の名言)
松野トキは、お見合いをする事になり、相手から顔を見られたトキに『悪くない』と思われたので、お見合いはうまくいくかに見えました。
ところが、相手の一家は『いまだに、まげをつけて、武家を引きずるような家には婿入りさせられない』と思って、この縁組を断ってきたのです。
松野一家は、家族そろって、この縁組の話を進めてくれた雨清水夫婦のもと訪ねて「このたびは、泥を塗ってしまい申し訳ありませんでした」と謝ります。
雨清水傳は「私は、泥を塗られても構わんのじゃが」と言ってくれましたが、タエは「私は嫌ですよ」とピシャリと厳しい事を言い放ちました。
松野フミは「もう、松野司さまには頼む事はありませんので」と言うと、タエから「そうよねぇ、次は何を塗られるのか、分かりませんし……オホホホホ、冗談ですよ」と笑われてしまうのです。
前回は、フミが「縁談の話なら、私たちに教えて欲しかったです」と少し厳しい事を言ったので、その仕返しをしたかったのでしょう。

からくり人形みたいになって(朝ドラ『ばけばけ 第8回』の名言)
松野トキは、お見合いが終わった後に、家に帰ると、母親から、自分もお見合いの時は凄く緊張した事を教えられます。
「あの時は緊張してしまって、まるでからくり人形みたいになって、お茶をお父様にかけてしまって」「えっ、そうなの?」
「あの時は、ワシの心が広いお陰でのぅ」「でも、あの時、縁談がダメになっていたら、こんな貧乏な暮らしをしなくて済んだ」
そんな話になり、思わず家族で笑い会いますが、これはトキがお見合いの話がダメになった事を知っても、落ち込まないようにするための気遣いでした。
人のためになる武士をやってよ(朝ドラ『ばけばけ 第8回』の名言)
松野トキは、家族で昔のお見合いの話になり、和気あいあいになったので『これは、私のお見合いは上手くいったのか?』と思いました。
しかし、あとになってお見合いの話がダメになった事を知って「この話の流れは、お見合いの話が良くなったからじゃないの」と抗議してしまいます。
家族は「いや、落ち込まないように場を和ませようと思って」と打ち明けると、トキは『自分はみそめられなかった』と思って落ち込みます。
ところが、今回の縁談がダメになったのは、いつまでもマゲをつけて、武士をひきずっている家に婿入りできないという理由である事が分かると激怒します。
「武士でおるのは構わんし、いつまでやっていても良いけど、人のためになる武士をやってよ。それができないなら、人の邪魔をしない武士をやってよ、せめて娘の見合いをダメにしない程度のね」
トキがそう言い放ち、家を出て行きましたが、ちょうど武士の時代が終わったばかりの頃なので、こういった家族はもしかしたら多かったのかもしれません。
鯖に当たってから食べなくなりました(朝ドラ『ばけばけ 第9回』の名言)
松野トキが、二度目のお見合いをする日になっても、父・司之介が家に帰ってこなくなったので、祖父・勘右衛門は「あいつは失敗したら、怖気付く」と呆れ気味につぶやきます。
母・フミも「そうですよねぇ、鯖に当たってから、食べ苦なくなりましたし」と言ってしまい、トキは『お見合いに来てくれないのか』と落胆してしまいます。
いつまでも、父を待っていられなかったので、仕方なく、祖父や母と3人だけで、お見合いの場所へ行くと、そこには、父がマゲを切った状態で待っていたのです。
フミが「鯖に当たってから食べなくなった」と言っていましたが、誰でも、一度は当たった食べ物は二度と口に入れたくないので、少し厳しい家族だなと思ってしまいましたね。

マゲは武士の魂ぞ(朝ドラ『ばけばけ 第9回』の名言)
勘右衛門は、自分の息子がマゲを切ってしまった姿を見て「マゲは、武士の魂ぞ!」と激怒してしまいます。
しかし、司之介は、自分たちがいつまでもマゲを切り落とさずに、武士をひきずってしまったせいで、娘の縁談をダメにしてしまった事を後悔していたのです。
司之介は、勘右衛門に対して、娘のためにマゲを切り落とした事を謝ると『孫娘のためには仕方ない』と納得してもらえたのです。
確かに、マゲは武士の魂であり、古来よりマゲをつけているのが武士の美徳でもありました。
かつて、岩倉使節団が訪米した時に、岩倉具視はマゲは日本人の魂と思っていましたが、周りから珍しがられているだけと知って、日本が近代化した事を証明するためにも、マゲを切り落とします。
きっと、司之介にとって、娘は日本と同じぐらい、大事な存在だったので、魂であるマゲを切り落とせたのでしょう。
おトキを幸せにする武士になろうと思う(朝ドラ『ばけばけ 第9回』の名言)
司之介は、前回でトキから「人のためになる武士をやってよ。それができないなら、人の邪魔をしない武士をやってよ」と責められた事がありました。
しかし、トキは自分だけが幸せになっても意味がないと思って、嫁入りを拒んで、あくまでも婿を迎える道を選びました。
それを知ったからこそ、司之介はマゲを切り落として「私は、おトキを幸せにする武士になろうと思う」と言い切ったのです。
フミから「嬉しいよね?」と同意を求められて、トキは目をうるませながら「うん」と答えて、感動したのです。
鉄砲しようと気が紛れる(朝ドラ『ばけばけ 第10回』の名言)
松野トキは、2回目のお見合いをしようとしますが、相手の顔をちらりと見ただけで、そのまま祝言をするのが怖くて仕方ありませんでした。
父は「そのうち、分かる」と言って、お見合いを進めようとしますが、トキの不安は解消されないでいると、お見合い相手の山根銀二郎は「分かりました。私と二人で話しませんか?」と提案します。
トキと山根銀二郎は二人で外を歩く事になりましたが、母のフミは「大丈夫だろうか?今まで、男の人と二人で一緒にいた事はないのに」と心配してしまいます。
そんな時に、司之介は鉄砲柱を叩き続けるので、フミから「何をしているんです?」と聞かれると「鉄砲しようと気が紛れる」と打ち明けます。
もしも、一戸建てに住んでいる場合であれば、イライラしている時には、柱に向かって、お相撲さんのように手をバンバンと叩いていたら、気が紛れるかもしれませんね。
ただし、鉄砲しすぎると、柱が痛むかもしれないので、自己責任でお願いします。

言う人ではないが言うてみた(朝ドラ『ばけばけ 第10回』の名言)
松野司之介が珍しく気の利いた事を言うので、妻のフミは「そんな事を言う人でした?」と驚くと「言う人ではないが言うてみた」と笑ってしまいます。
今までの自分の性格であれば、普段は言わない事や行わない事をする時があります。
そんな時は決まって、周囲から「そんな事を言う人でした」とか「そんな事をする人でした?」と言われるでしょう。
なぜ、そんな事をするのか?釈明するのは面倒だった場合には、この名言を言って笑い飛ばすのも悪くないですね。
おトキは私の娘です(朝ドラ『ばけばけ 第10回』の名言)
ついに、松野トキが山根銀二郎と祝言する事になり、雨清水タエから「よく、ここまで育て上げましたね」と言われると、フミは「おトキは私の娘です」と答えます。
タエは「分かっています」と答えて、隣では雨清水傳が複雑そうな表情を浮かべて、二人の話を聞いていました。
なぜ、こんな会話になったのか?それは松野家と雨清水家では、それぞれ秘密にしている事があり、これがのちにバレる事になるのです。
お日様おはようございます(朝ドラ『ばけばけ 第11回』の名言)
松野トキは、夫の銀次郎と一緒に湖で顔を洗い、日の出の太陽に向かって「お日様、おはようございます。出雲のお社様、おはようございます」と手を叩いたあとに挨拶をしました。
日の出は、日の本(日本)を象徴する存在であり、地元のお社にも挨拶をしていて、当時の日本人が自然を愛して信心深い感じがしますね。
科学技術が進歩して、日本人は昔に比べて便利な生活をできるようになりましたが、その代わり大事なことを忘れているのかもしれません。それを感じさせる朝ドラですね。

ぬらりひょんも描いちょくれんか(朝ドラ『ばけばけ 第11回』の名言)
松野トキは、夫の顔を書いた絵を工場の機械に貼り付けて、せいをだして働いていたら、平井(俳優:足立智充)から「これは小豆洗いかの?」と聞かれます。
松野トキは「よくご存知で、これはうちの旦那にございます」と教えると「ほぉ」と言うと、他の女工が「トキの旦那によく似ているそうで」と教えてあげます。
「それなら、ぬらりひょんも描いちょくれんか。うちの家内がよく似ている」
平井が女工たちと笑い合いって話していました。もしも、不景気にならなければ、こんな暖かい光景がずっと続いていたかもしれませんね。
のちに、平井がしでかした事を考えると、この11回を見返したら、切なくなってしまいます。
あら、幸せが歩いてくると思ったら(朝ドラ『ばけばけ 第11回』の名言)
松野トキは仕事が終わり、夫に「もとはお武家だったのに、そげな仕事をさせて申し訳ありません」と謝ります。
「それはお互い様です。私は松野の御父上のおかげでマゲを落とせました。感謝しても、感謝しきれません」「それなら、良かった」
二人で微笑み合っていると、なみが「あらぁ?幸せが歩いてくると思ったら」と茶化してきます。
「その分なら、当分はこっちに来なくて済みそうね」「はい」
トキは恥ずかしい表情を浮かべながらも、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
人を茶化すと気分を悪くさせる事はありますが、相手としっかりとした信頼関係があり、悪意もなければ、二人のように心の底から笑いあえる事ができるのでしょう。
女中が去って初めて自分でフスマを開けた(朝ドラ『ばけばけ 第12回』の名言)
松野トキは、織物工場で、雨清水タエのもとで働いていた女中たちが、お給金を払えないという事でお暇を出された事を知って、心配になります。
そこで、屋敷を訪れてみると、雨清水タエが呆然と立ち尽くしながら、かまのお湯が煮えたぎっていました。
このままでは火事になると思って、水を一気に入れますが、雨清水タエはおかゆを作ろうとしていたのですが、その作り方がいまいちよく分からず、立ち尽くしていたのです。
松野トキは『このままではマズイ』と思って、雨清水三之丞に相談すると「信じられないかもしれないが、女中が去って、うちの母は初めて自分で襖(ふすま)を開けたんだ」と打ち明けられます。
お姫様のような環境で育てられていたので、まさに箸より重いものはもっていないような生活を送っていたのでしょう。

雨清水様にご用立てするのは分がすぎる(朝ドラ『ばけばけ 第12回』の名言)
雨清水傳は、長男が出奔してしまい、家に残した置き手紙を見て、織物工場の経営が凄く悪くなっていた事に気付きます。
慌てて、お金を融資してもらおうと思いますが、相手からは「雨清水様にご用立てするのは分がすぎる話です」と断られてしまいます。
雨清水傳は、元武士だったのに、恥も外聞も捨てて、頭を深く下げますが「こちらも厳しいので」と断られてしまいました。
相手に恥をかかせないように、こちらが融資できるほどの者ではありませんとへりくだってくれた訳ですが、そこにくいさがってしまい、結局は融資してもらえない事を痛感します。
何かグッと飲み込んだじゃろう(朝ドラ『ばけばけ 第12回』の名言)
松野勘右衛門(俳優:小日向文世)は、跡取りになる銀二郎に稽古を指南させますが、その太刀さばきに不満を抱き、叱責します。
「申し訳ありません。我が家や松野家ほど、格が高くありませぬゆえ」「それは知っちょる。しかし、そなたは松野家の跡取りになったのじゃろう」
自分の家を格下扱いされてしまい、思わず不満を抱いていると、松野勘右衛門から「今、何かグッと飲み込んだじゃろう」と責められてしまい「飲み込んでおりません」と口論してしまうのです。
私は薄情な人になりたくはないのです(朝ドラ『ばけばけ 第13回』の名言)
松野トキは、松野家の家族に「私は、今まで雨清水家から、数えきれぬご恩を受けておりました。だから、看病に行かせてもらえませんか?」と打ち明けます。
祖父・勘右衛門は「まぁ、お二人は助かるじゃろうが」と同意してくれますが、夫・銀次郎は「私は反対です」と異論を唱えます。
「工場が厳しくなっているなか、看病までしたら、おトキちゃんまで倒れてしまうのではないかと。お気持ちはよく分かるのですが」
「ご心配、ありがとうございます。ですが、私は薄情な人にはなりたくないのです」
トキはそう言い切って、看病する事になりました。

傳さまは永遠の宿敵(朝ドラ『ばけばけ 第13回』の名言)
松野司之介は「トキが看病したら、すぐ治るじゃろう。なにせ、傳さまは永遠の宿敵じゃからのぅ」と言うと、銀次郎は「宿敵?」と不思議に感じてしまうので、その理由を教えてあげます。
「あぁ、宿敵はいたほうが張り合いがあって良い、銀次郎も宿敵を持ったほうがいい」
松野トキは、看病しながら「うちの父も、宿敵には元気になってもらわなくては」と教えてあげると「宿敵?」と戸惑ってしまいます。
「はい、私が子供の頃、よく冗談で叔父さまが父上だったら良かったのにと言ったので」「はっはっは、それは宿敵じゃなぁ」
このように宿敵がいたほうが切磋琢磨しあう事があるので、やはり宿敵というかライバルはいたほうが良いでしょう。
実際に、上杉謙信と武田信玄、宮本武蔵と佐々木小次郎、徳川家康と豊臣秀吉などはライバルに負けじといい結果を出してきました。
あの有名な柔道マンガ『YAWARA!』でも、宿敵はいたほうが良いという言葉が紹介されています。
しじみぐらい、作れます(朝ドラ『ばけばけ 第14回』の名言)
雨清水タエは、今まで何もできずロクに家事もしていなかったのですが、松野トキも大変な思いをしていたので、自分も何とかしないといけないと思います。
そこで、タエは「しじみぐらい、作れます」と言って、トキに料理の仕方とか、色々と聞いて自らするようになります。
いくら、今までお姫さまのような環境で育ったとは言え、やはり大事なトキが大変な思いをしていると知ったら、何とかしないといけないと思ったのでしょう。
現代であれば、しじみの味噌汁はカップ麺とかで売っていて、簡単に作れますが、明治の時代はまだまだ簡単には作れないものでした。

一日一反、一日一反(朝ドラ『ばけばけ 第14回』の名言)
平井は、この不景気に織物工場をつぶさないようにするためには、他の工場のように、一人の女工で一日一反作らないようにしなければいけないと考えます。
そこで、女工たちの間を歩きながら「一日一反、一日一反」と言います。
女工たちは「なに、あのむち?」とささやいて「以前、馬を管理していた事があったようよ?私たちの事を馬だと思っているのね」と反感を抱かれます。
不景気ではない時、女工たちと和気あいあいと喋っていたのに、やはり、お金がからんでくると、人とは、ここまで変わってくるのでしょう。
お病気なのか、お元気なのか、どちらなのですか(朝ドラ『ばけばけ 第14回』の名言)
松野トキは、雨清水傳を看病してあげますが、叔父は照れ臭くなって笑ってしまうので、思わず笑いながら突っ込んでしまいます。
「お病気なのか、お元気なのか、どちらなのですか?」
思わず、二人は笑いあってしまいますが、大事と思っているトキから、口元までおかゆを運んでもらう事について、恥ずかしくて笑ってしまうのは、無理もありません。
私も、よそで育ちたかった(朝ドラ『ばけばけ 第15回』の名言)
平井は、女工のせんが何度も失敗をしてしまい「何度言ったら分かる!」と怒鳴ってしまい、ついに手をあげてしまいました。
そこに、体調がある程度まで回復した社長・雨清水傳がやってきて、その現場を目撃してしまい「平井、これはどういう事じゃ、説明せい!」と激怒してしまいます。
平井は土下座をして謝りますが、三男の三之丞に「何じゃ、この有様は、説明せい」と叱責します。
しかし、三之丞は「無理ですよ、私は今まで何も教わっていなかったのに、都合よく駆り出されても、何も分からない。私もよそで育ちたかった」と弱音を吐いてしまいます。
三之丞は勢いあまって、トキが雨清水家の間で生まれた娘であり、自分の姉である事を喋ってしまいましたが、トキは薄々もう知っていたのです。
三之丞にとっては、自分には荷が重すぎると思い、今までロクに期待もされていなかったので、こんな事ならトキのようによその家で育ちたかったと思ってしまった訳です。

立派な侍ほど早く逝ってしまうものじゃ(朝ドラ『ばけばけ 第15回』の名言)
雨清水傳は、織物工場の変わりきった有様を見て感情的になり、一気に体調が悪くなって、そのまま亡くなってしまいました。
松野家の家族は「立派な侍ほど早く逝ってしまうものじゃ」と残念がってしまいますが、これは的を得た名言だと言えます。
なぜなら、織田信長や上杉謙信など、自分の志に向かって真っ直ぐに生きようとした英雄は、すぐに亡くなったからです。
それに引き換え、主家を滅ぼして野望のためには多くの者を不幸にした豊臣秀吉や、どんな汚いことをしてでも生き延びようとした徳川家康は長生きしました。
もちろん、豊臣秀吉は戦国時代で初めて全国統一した大英雄であり、徳川家康は戦国乱世を終わらせて260年以上もの太平の世を築き上げた英傑です。
それでも、まっすぐに生きすぎるともしかしたら、早死にしてしまうものかもしれません。
トキは大好きな叔父が亡くなってしまい、あまりにも悲しくなりますが、なかなか泣けないでいると、親友の野津サワが現れてくれて、心の底から泣く事ができました。
あんたが遊女?(朝ドラ『ばけばけ 第16回』の名言)
織物工場が倒産してしまい、雨清水傳(俳優:堤真一)たちは謝り、女工たちは職を失ってしまい、松野トキは収入がなくなってしまいます。
借金取りは「おトキちゃん、いよいよ遊女になる時がきたかね?今度は太い腕でひっぱっていくからなぁ」と脅すように嫌味を言って、立ち去って行きました。
借金取りが去って行くと、銀次郎はあわてて、借金取りの所へ行き「すいません、仕事を」と頼み込むと「おっ、ついに遊女に出す気になったか?」と勘違いしてしまいます。
銀次郎は「いえ、私が」と答えると、借金取りは「あんたが遊女?」と、ますます勘違いしてしまうのです。

格を気にしている場合ではございません(朝ドラ『ばけばけ 第16回』の名言)
銀次郎は、昼間は思い荷物を運ぶ仕事をして、夜は遊郭で客引きをする仕事までして、四六時中、仕事をして稼ごうとします。
全ては、愛するトキが、遊女にならないで済むためでした。しかし、剣術の稽古に顔を出さなくなってしまったので、勘右衛門は怪しんで、司之介を問い詰めてしまい、バレてしまいます。
「客引きの仕事などしていたら格が下がる」と叱責すると、銀次郎は「格を気にしている場合ではございません。おじいさまこそ、武具を売ったらどうですか?」と反論されるのです。
勘右衛門は激怒して「お前の稼いだ金などいらん。松野家に入れるでないぞ」と言い放ってしまい、銀次郎は追い詰められていくのです。
後継を連れ戻して参れ(朝ドラ『ばけばけ 第16回』の名言)
銀次郎は、もうどうすこともできず、トキに「二人で一緒にどこかで住みませんか」とお願いしますが、あまり良い返事を貰えません。
そこで、銀次郎はついに出奔してしまい、トキは置き手紙を見て「うちのせいだ」と嘆き悲しんでしまうのです。
勘右衛門は、責任をようやく感じたのか?全ての武具を売り払い、そのお金で「後継を連れ戻して参れ」と、トキに伝えるのです。
取り込み中は取り込み中という事だ(朝ドラ『ばけばけ 第17回』の名言)
松野トキは、夫・銀次郎が置き手紙を残して出奔してしまいますが、祖父から「どうやら、銀次郎は東京にいるようじゃ」と言われるので、祖父が用意した旅費を使って向かう事になりました。
節約しながら、東京へ向かったので、足は傷だらけになりましたが、なんとか銀次郎が住んでいると教えられた家に入ろうとすると、見知らぬ男・錦織友一(俳優:吉沢亮)が現れます。
「今、取り込み中だ」「あの、銀次郎さんは」「取り込み中は、取り込み中という事だ!」
錦織友一は、全く聞く耳を貸そうとしなかったのですが、しつこく食い下がってきたので、銀次郎は人力車の仕事をしている事を教えてくれました。
それでも、職場がどこにあるのかは教えてくれようとしなかったのですが、トキが足を怪我していると知って部屋に入れてくれて、薬を与えてくれたのです。
しかし、トキはあまりにも疲れていて、眠ってしまい、気がつくと、そこには根岸(俳優:北野秀気)や若宮(俳優:田中亨)の姿がありました。

お嫁さんの寝言とイビキで勉強できなかった(朝ドラ『ばけばけ 第17回』の名言)
松野トキは、根岸や若宮たちから、以前までいた人は錦織友一という人物であり、受験する直前という事もあって、気が立っていた事を教えられます。
しかも、錦織友一は「お嫁さんの寝言とイビキで勉強できなかった」とも打ち明けられてしまい、呆気に取られてしまうのです。
トキは、なぜ銀次郎が皆んなと一緒に暮らしているのか?と聞いてみると、銀次郎が帝大前で倒れている所を見つけてもらい、この家に誘って暮らすようになったと知りました。
神童で大盤石(朝ドラ『ばけばけ 第17回』の名言)
根岸・若宮・錦織友一たちは、松江出身であり、銀次郎が山陰の言葉を喋っていたので、放っておけず、家に誘ってあげる事になりました。
しかも、根岸・若宮たちは笑いながら「錦織友一さんは、神童で大盤石」と教えるほど、かなり優秀な人物でいた。
実際に、受験する前に、松野トキが訪れてきても、しっかりと、難問校に入学する事ができました。
錦織友一役の吉沢亮さんは、映画『国宝』で大活躍した俳優であり、朝ドラファンたちの間でも「やっと国宝が出た」と騒がれるほど、待ち焦がれられた出演者とも言えましたね。
養子を迎えるか、また私が鍛える(朝ドラ『ばけばけ 第18回』の名言)
松野家では、トキが銀次郎を迎えに東京へ行ったあとに、トキが自分たちの子供ではないと知っていた事を教えられて、焦ってしまいます。
松野司之介は、最初の時は「トキは必ず戻ってくる。そんな薄情な娘ではない」と言いつつ、だんだんと不安になり「歩いてでも東京へ行って迎えに行く」と言い出します。
妻からは「信じるんじゃなかったんですか?」と言われますが「しかし、このままでは後継が」とつぶやきます。
その時、松野勘右衛門は「養子を迎えるか……また、私が鍛える」と言ってしまいます。
銀次郎が出奔してしまったのも、松野勘右衛門が古い格式にこだわり、客引きの金などいらんと言ってしまい、自分は何もしようとしなかった事が原因しています。
松野勘右衛門は、武具をようやく売り払いましたが、根本的に変わっていないのでしょう。

いたよ、ずっと(朝ドラ『ばけばけ 第18回』の名言)
松野トキは、ようやく銀次郎と再会する事ができて、二人でずっと話し合っていると、錦織友一から「二人っきりにしたほうがいいか?」と言われてしまいます。
「すいません、いたんですね」と謝ると「いたよ、ずっと」と全くの無表情で答えられます。
今まで、ずっと大変だった二人がようやく久しぶりにあえてしまったので、思わず二人の世界に入ってしまったので、錦織友一は少し寂しくなってしまったのでしょう。
こんなあさげを作れるお嫁さんから逃げちゃいけん(朝ドラ『ばけばけ 第18回』の名言)
松野トキは、お世話をしてもらったお礼にと思って、朝食に味噌汁を作ってあげると、根岸は「こんなあさげを作れるお嫁さんから逃げちゃいけんですよ」と言ってしまいます。
それに対して、銀次郎は「これからは、ずっと一緒だと思います」と答えると、仲間たちは「へぇ」と声をそろえました。
トキだけは少し戸惑ったような表情を浮かべますが、このまま東京で夫と一緒に住んで、松江に帰らなくて良いのだろうか?と思った可能性が高いですね。
東京はやり直せる場所だ(朝ドラ『ばけばけ 第19回』の名言)
松野トキは、錦織友一から「東京はやり直せる場所だ。私も銀次郎も、東京でやり直せた。君は東京でやり直したくないか?」と勧められます。
確かに、東京は日本で最も繁栄している所であり、仕事も多くあり、仕事の単価が良い所は昔も今も変わりません。
そういった意味で言えば、昔も今も東京はやり直せる場所かもしれません。
ただし、最近では東京の家賃や土地代が高すぎて、ひと昔前に「まだ東京で消耗しているの?」という言葉が流行った事もありました。
さらに、今回のように、松野トキの手を握って、強引にナンパしようとする男が多いのも、大都会ならではの特徴です。
そういった事を考えたら、東京はやり直せる場所であっても、辛く感じる所が多い所でもありますね。

皆んな出て行っちゃうわね、鎧も刀も(朝ドラ『ばけばけ 第19回』の名言)
松野勘右衛門は、雨清水タエに「お嬢が我が家に戻らないかもしれん事を傳さまにご報告しました。全く面目しだいもございません」と謝ります。
「皆んな出て行っちゃうわね、子供たちだけではありません。家宝も鎧も刀も売ってしまったのでしょう?それだけの事をしても、トキを東京に行かせたい」
「戻らぬ事を薄々、分かっていた。勘右衛門どの、あなたが男の子が欲しくても、赤ん坊だったおトキを笑顔で抱いていた事も今でも忘れていません」
「おトキをそなた達に預けてよかった。傳もそう思っている事でしょう」
雨清水タエは、少し上から目線で喋る事が多くありましたが、松野家を信頼しきっていた事がよく分かる会話でしたね。
日本は過去を振り返っている暇はない(朝ドラ『ばけばけ 第20回』の名言)
松野トキは、怪談の話をしようとしますが、錦織友一たちは話を聞こうとしないので、戸惑ってしまいます。
その様子を察した根岸が「錦織さんは怖い狩りなので」と、場をなごまそうとすると「嘘をつくな。目に見えないものとか、そういう古臭いのは好きじゃない」と言い出します。
錦織友一は「日本は過去を振り返っている暇はない」と言い放ってしまい、トキは少し寂しそうな表情を浮かべてしまうのです。
当時の日本は鎖国をやめたばかりであり、必死に西欧諸国に追いつこうとしていたので、日本の今までの文化伝統をかなぐり捨てて、西欧化しようとしました。
これが脱亜入欧とよばれるものでしたが、日本をよく知る一部の欧米人は「日本には、これほど素晴らしい文化があるのに」と嘆いたほどの変化でした。
現代の日本も、過去の経済成長をいつまでも振り返っている所があるので、現代の日本人も過去より前を向いたほうが良い時かもしれません。

松野家の本当の娘です(朝ドラ『ばけばけ 第20回』の名言)
銀次郎は、松野トキが一人で松江へ帰ろうとするので「でも、まずは……いや、なんでもない」と言いかけて、途中で言いたい事を辞めました。
トキは、銀次郎の気持ちを察して「もしかして、私が松野の娘じゃないから?」と打ち明けると「知っていたんだ」と言われます。
「私は、松野家の本当の娘です」「そうだよね、おトキちゃん、一緒に帰ってあげられなくて、ごめん」「ええの」
心の底から愛し合っている二人でも、松野家を見捨てられないトキと、松野家には戻りたくない銀次郎の間で、大きな溝がハッキリと判明した時でした。
白髭が生えているぞ(朝ドラ『ばけばけ 第20回』の名言)
松野トキは、東京でも、皆んなと一緒に牛乳を飲んでいくと、錦織友一たちの顔に牛乳がついてしまい、白髭になってしまいました。
皆んなで「白髭が生えているぞ」と笑いあっていると、思わず、松江で家族が白髭になって談笑していた事を思い出してしまいます。
トキは、やはり家族は見捨てられないと思って、松江へ帰る事を決意しますが、あの時の白髭が、こんな伏線になるとは思いもよりませんでしたね。
らしゃめんになるけん(朝ドラ『ばけばけ 第21回』の名言)
なみが、野津サワから英語を学び「らしゃめんになるけん」と言い切って、異国の妾になろうとしていました。
実は、異国は妾を囲いたがっていて、その給付金はすごく高かったので、なみは異国の妾(らしゃめん)になって、遊郭から脱出しようとしていたのです。
それから、異人がいよいよ松江にくる日になると、松野トキは誰かからお金をもらう代わりに、異人の様子を偵察するように頼まれました。
野津サワから「絶対に頼んだのは、なみさんだろう」と突っ込みますが、トキは「偵察はばらせません」とすっとぼけてしまいます。
実は、日本は第二次世界大戦後でも異人の妾になりたがる女性が多くいました。
その時代はパンパンという名前で呼ばれており、周囲から蔑称(べっしょう)で呼ばれていました。
しかし、当時は生活が凄く苦しかったので、異国の妾になろうとした女性は、批判される言われはないでしょう。

武士を終わらせる諸悪の根源(朝ドラ『ばけばけ 第21回』の名言)
松野勘右衛門は、なみがらしゃめんになろうとしている事を聞いて「異人は、武士を終わらせる諸悪の根源」と言って、木刀みたいなもので斬りかかろうとします。
しかし、なみは『らしゃめんになって何が悪い』と思って、武器を構えて、口論してしまいます。
武士の時代はいずれ終わっていたと思いますが、異人の黒船来航が武士の時代を終わらせたのは間違いないので、松野勘右衛門のように考えていた武士は、きっと多かったでしょうね。
立派なのは好きではない(朝ドラ『ばけばけ 第22回』の名言)
レフカダ・ヘブンが、松江に着くと聴衆が集まりますが、そこで「マツエ、キテ、ウレシイ」と挨拶をして、多くの日本人が歓声をあげて歓迎します。
その中で、松野トキは親友・野津サワから「せっかくだから、握手してもらえば?」と勧められるので、握手をします。
ところが、握手をした瞬間に違和感を抱いてしまって「どうした、骨折した」と心配されますが、どうも違うようで「うぅん」と否定します。
レフカダ・ヘブンは、歓迎式に出なくてはいけないのに、三味線の音に惹かれて色街をさまよってしまいます。
通訳の錦織友一は「堀尾旅館で宿の用意をしています」と説得しますが「立派なのは好きではない」と断られてしまうのです。
意外にも、欧米人は、日本の最新のホテルよりも、歴史のある和風な古い日本旅館を好きな方もいるので、レフカダ・ヘブンのように、立派なのを嫌うのは珍しくありません。
ラストサムライ(朝ドラ『ばけばけ 第22回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、松野勘右衛門を見て、噂に聞いたことがある武士を見て「ラストサムライ」という言葉がもれます。
それほど感動していたのに、松野勘右衛門にとっては、武士の時代を終わらせた憎っくき異人がきたと思って、武器を振り回してしまうのです。
通訳の錦織友一は、必死にレフカダ・ヘブンを守りながら、後退していき、大騒動に発展してしまいました。
ラストサムライは、映画のタイトルにもなったことがあり、あの渡辺謙さんやトム・クルーズさんたちが出演して、大きな話題になったこともありました。
神々の国の首都だ(朝ドラ『ばけばけ 第23回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、朝になって起きて外へ出てみたら、鐘の音が鳴り、人々が太陽や社の方角に向かい手を合わせて祈る光景を見られて、感銘を受けます。
「ここは、神々の国の首都だ」
そう思い、好きな人と一緒にここへ来たかった。それでも、もう少しで君のもとへ帰れると思うようにします。
松江が神々の国の首都というのは、松江には出雲大社があり、日本神話にも大きく関わっているから、神々の国の首都と評したのでしょう。
色街のなみは、そんなレフカダ・ヘブンの妾になれば、この街から脱出できると思って、松野トキのお金を渡す代わりに、手紙を渡すように頼んだ訳です。

西洋人は必ず飲むらしい(朝ドラ『ばけばけ 第23回』の名言)
松野司之介は、お店までやってきて「西洋人は(牛乳を)必ず飲むらしい」と言って、牛乳を買ってもらえます。
ここまでは良かったのですが、定価よりも高いお金で売りつけてしまうので、娘のトキから「そんなにしないでしょう」と突っ込まれてしまうのです。
松野司之介は黙るように言って、高値で売りつけますが、レフカダ・ヘブンは給料が高かったので、全く違和感を抱かず、翌日から牛乳を運んでもらうようにお願いしてしまうのです。
島根の宝になる人(朝ドラ『ばけばけ 第24回』の名言)
錦織友一(俳優:吉沢亮)は、レフカダ・ヘブンに「あなたは、島根の宝になる人です」と説得しようとしますが、なかなか、共に行動してくれません。
英語を教える教師で、なぜ、そこまで?と思う方は多いかもしれませんが、国際共通語とも言える英語を喋れるようになったら、かなり大きなアドバンステージになります。
実際に、シンガポールやインドなど、英語を使える人が多いところは、国際競争力が高くて、飛躍的に発展を続けています。
そのため、レフカダ・ヘブンによって、島根県民の多くが英語を喋れるようになったら、知事たちの思惑どおりに島根県が発展する可能性はあるでしょう。
そうんなったら、レフカダ・ヘブンが島根の宝になっても不思議ではありません。

英雄色を好む(朝ドラ『ばけばけ 第24回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、色街の店に入り、なかなか外へ出ようとしないので、錦織友一は「英雄色を好むという事ですか?」と問い詰めようとします。
この『英雄色を好む』というのは、以前からある名言であり、英雄に限って、多くの女性を囲おうとして、多くの側室がいました。
日本では、豊臣秀吉が300名もの女性をかきあつめて20名近い側室がいたと言われており、徳川家康の側室は15名以上もいました。
英雄の側室になれば、大きな権力を手に入れる事ができますし、英雄も後継者を確保する必要があるので多くの側室が必要という側面もあって、このような名言が昔からあった訳です。
ヘブン先生も人間です、私たちと同じ(朝ドラ『ばけばけ 第25回』の名言)
錦織友一は、いつまでもレフカダ・ヘブンが旅館から出てこなくて、苛立ってしまい、ふすまを強引にあけようとします。
そこに、松野トキが、レフカダ・ヘブンが旅館から出てきたがらない理由について、話し始めます。
「ヘブン先生は怖いんじゃないでしょうか?」「怖い?」「私が初めて、ヘブン先生と握手していた時に、手が震えていました」
「初めてきた異国の地で、あれだけ多くの人々に期待されて、怖かったのでしょう」
錦織友一は、レフカダ・ヘブンが怖がる理由を思いついて、知事から教師ではない事を聞いている事を話し始めて、それでも生徒たちがあなたを待っている事を話して安心させます。
今まで、異人は天狗だ河童だと恐れられていましたが、知識人の錦織友一でさえ、レフカダ・ヘブンをどこか特別の人間と思っていたことを反省してしまうのです。

あなたを待っています(朝ドラ『ばけばけ 第25回』の名言)
錦織友一は、アマテラスのように部屋に閉じこもったレフカダ・ヘブンに対して、あなたが日本語を喋らなても良いし、教師の資格も持っていなくてもいいと話し始めます。
極め付けの説得の言葉として「あなたを待っています」と静かに語りました。
レフカダ・ヘブンは、経歴や言語力ではなく、私自身を待っていてくれるのかと思って、ようやく重い腰をあげました。
この名言は、現代でも大事な人に対して、使えそうな言葉なので、ここぞという所で使ってみるのも悪くないですね。
お主、地獄(朝ドラ『ばけばけ 第26回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、初めての授業を行うことになりますが、日本語は喋らなくても、生徒たちは喜んで、その話に聞き入ってくれました。
ところが、旅館で、ウメの目の周りが相変わらずはれているように見えたので「イシャに診てもらいましたか?」と聞いたら、まだ診てもらっていない事を教えられます。
レフカダ・ヘブンは激怒して、旅館の主人に対して「お主、地獄!」と吐き捨てて、こんな旅館は出て行こうとしてしまい、主人は「めっちゃ、怒られた」と呆然と立ち尽くしたのです。

本当の英語の力を見た気がします(朝ドラ『ばけばけ 第26回』の名言)
錦織友一は、レフカダ・ヘブンがなかなか学校へ行こうとしなかったのに、いざ、授業を行うと、生徒たちがしっかりと聞き入ったことに感心します。
そのことを知事に「本当の英語の力を見た気がします」と報告すると、知事は「ワァオ」と大満足しました。
英語は、人類の共通語とも言える言語であり、日本のように、祖国ぐらいでしか通じない言語とは違います。
そういった魅力もあり、生徒たちは喜んで、話に耳を傾けたのかもしれませんね。
借りた金が返さないほうが無礼者じゃ(朝ドラ『ばけばけ 第26回』の名言)
森山銭太郎(俳優:前原瑞樹)は、父親が亡くなってしまったので、代わりに松野家を訪れて、借金を取り立てようとします。
父親は、死ぬ間際に「松野家は、もっと厳しく取り立てておけばよかった」と言い残したので、その取り立て方は父親以上でした。
しかも、松野勘右衛門に対して「刀なんて振り回していないで、働け!」と責め立てると「無礼者」と言われるので「借りた金が返さないほうが無礼者じゃ」と吐き捨ててしまったのです。
お金を貸したほうからしてみたら、確かにいつまでも返さないほうが無礼者と思いたくなるのかもしれません。
どっちもと言ったら、どっちもだ(朝ドラ『ばけばけ 第27回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、あれだけウメの目が怪我しているので、医者に診せてと言ったのに、全く診せていなかったと知って、激怒して旅館を出る事にしました。
しかし、異国で、一人で生活することはできないので、知事は「女中が必要になるな、どっちも必要だなぁ」とぼやきます。
錦織友一は「どっちもとは?」と聞くと「どっちもと言ったら、どっちもだろう。お前は東京で多くの外国人と付き合っていたんだから、分かるはず」と教えます。
恐らく、昼間に掃除・洗濯・料理をして、夜の営みの相手までするという意味から、どっちもと言いたかったのでしょう。
なみは、それを覚悟の上で、レフカダ・ヘブンの女中になろうと思って、懸命にアピールする事になりましたが、どうやら不発してしまったのです。

親孝行のために身を売って、真面目に遊女をやってきた(朝ドラ『ばけばけ 第27回』の名言)
なみは、記者にお金を払う代わりに、貴重な情報を掴みます。それは、レフカダ・ヘブンが女中を募集していたという話でした。
この当時、日本は異国に強引に開国させられて不平等条約を押し付けられたこともあり、異人を忌み嫌い、その女中になることは周りから差別の目でみられる事を意味していました。
それでも、なみは「親孝行のために身を売って、真面目に遊女をやってきた」と言って、これからは遊女を辞めるために、異人の女中になろうと決心したのです。
泥棒やったら、うちより裕福じゃろう(朝ドラ『ばけばけ 第27回』の名言)
松野家では、いつものように夕食が出されていましたが、しじみ汁なのに、肝心のしじみが入っていなかったので、松野司之介は「これは、ただの汁じゃないか?」と突っ込んでしまいます。
それに、松野トキが「金がないから、しじみが全部売ったんです、分かってください!」と吐き捨てるように、ブチギレてしまいます。
そんな時に、外から物音がしたので、家族は「泥棒か?」と騒ぎ始めるので、司之介は「泥棒やったら、うちより裕福じゃろう」と言ってしまいます。
泥棒より、裕福じゃない家とは、どんな家だろう?と多くの朝ドラファンが突っ込みたくなったでしょうね。
おなみさん、良い友達でいましょう(朝ドラ『ばけばけ 第28回』の名言)
なみは、レフカダ・ヘブンの女中になろうとしますが、手を握られて「おなみさん、良い友達でいましょう」と丁重に断られてしまいました。
実は、レフカダ・ヘブンは武士の娘、つまりは士族の娘のほうが教養があって、良いと考えていたのです。
なみは「自分が百姓の娘だから、掃除や洗濯もできます」と自己紹介してしまったので、断られてしまったという訳です。

施しを受けたなら、頭を下げるのが物乞いじゃろうが(朝ドラ『ばけばけ 第28回』の名言)
松野トキは、レフカダ・ヘブンの女中になるという話を断りますが、1日20円も貰えるという話がいつまでも忘れられないでいると、外で信じられない光景を目の当たりにします。
それは、あの裕福だった雨清水タエ(女優:北川景子)が物乞いをしていたのです。
雨清水タエは、お金を貰いますが「施しを受けたなら、頭を下げるのが物乞いじゃろうが」と責められますが、あくまでも頭をさげようとしないので、お金を取り上げられてしまうのです。
いく武家の血筋を誇りにしているとは言え、お金を貰ったのに、お礼を言わなければ、怒られるのも仕方はないですね。
今社長をやっている私はどげすれば?(朝ドラ『ばけばけ 第29回』の名言)
雨清水三之丞(俳優:板垣李光人)が、いきなり牛乳配達している会社を訪れて、社長と話しをしようとするので、松野司之介は気になって、外から様子をうかがいます。
そこで、何と雨清水三之丞は、ここで社長をさせてもらいたいような事を言い出して、社長は「それでは、今社長をやっている私はどげすれば?」と聞き返します。
今社長となっては、当然の疑問でしたが「それは、おいおい考えましょう」と言われてしまうので、ついに激怒して、雨清水三之丞を外へ叩き出しました。
令和の時代であれば、実業家となり会社を立ち上げる方法もありましたが、この時代に会社を立ち上げるのは至難のわざであり、いきなり社長になるのは無理があるでしょう。

雨清水なんて誰も覚えていないわ(朝ドラ『ばけばけ 第29回』の名言)
雨清水三之丞は、牛乳配達する会社の社長に断られても、諦めようとせず、他の会社にも「私を社長にさせてください」と頼みますが「雨清水なんて誰も覚えていないわ」と吐き捨てられます。
時は明治であり、武士の世は完全に終わってしまい、誰もが武家の家柄などを覚えているものは少なかったのです。
雨清水三之丞は、母が物乞いになってしまって、稼がなくてはいけなくて、侮辱されても、苦難の就職活動をするしか方法がなかった訳です。
松野トキは、すっかり落ちぶれてしまった雨清水家を目撃してしまい、すぐには声をかける事ができませんでした。
人に使われるのではなく、人を使う仕事につきなさい(朝ドラ『ばけばけ 第30回』の名言)
松野トキは、雨清水三之丞(俳優:板垣李光人)が心配になって、話しを聞こうとすると、母から「人に使われるのではなく、人を使う仕事につきなさい」と言われていることを知らされます。
そんな調子だったから、色々な親戚の家へ行っても、追い出されることになり、色々な親戚の家を渡り歩いてしまい、ついに松江へ戻って行きました。
トキは「それなら、ウチに来てください。寝る事はできますから」と言いますが「ありがとう、でも母は、一度、面倒をみた所へ行かないと思う」と断られてしまいます。
あまりにも、誇りが高すぎてしまい、めまぐるしく時代が変わってしまった、明治日本には適応できなかったのです。

お金は大事ですけど、体はもっと大事ですけん(朝ドラ『ばけばけ 第30回』の名言)
松野トキは、雨清水家が大変な思いをしていることを知って、鎮痛な面持ちで、松野家へ戻ると、母は「お金は大事ですけど、体はもっと大事ですけん」とつぶやきます。
家族そろって、くしゃみをして笑いあいますが、それでもトキは心の底から笑うことができず、ついにある決心をして、レフカダ・ヘブンの家を訪れます。
錦織友一から「どうした?ヘブン先生は、しじむは買わんぞ?」と聞かれるので「ヘブン先生の女中になります」と打ち明けたのです。
養母の「お金は大事ですけど、体はもっと大事ですけん」という名言に逆らう行為でしたが、実母を助けるために、自分の清い体よりも、家族を救いたいと思ったのでしょう。
腕太い、足太い、武士違う(朝ドラ『ばけばけ 第31回』の名言)
松野トキは、レフカダ・ヘブンの女中になる覚悟を持って、会うことになったら「シジミさん?フッ」と少し笑われてしまい、腕や脚を見せるように促されます。
『なぜ、そんな事を』と思いながらも、恐る恐る腕や脚を見せていくと、レフカダ・ヘブンから心外なことを言われてしまいます。
「ウデフトイ、アシフトイ、ブシチガウ(腕太い、脚太い、武士違う)」と言われてしまうので「ひどい、錦織さん、どういう事ですか」と抗議します。
錦織友一は、あわててレフカダ・ヘブンを説得しようとするも「NO!NO!ワタシはダマサレナイ!アナタ、武士ノムスメノデハナイ」と言われてしまうのです。
地獄町で暴れたラストサムライの孫であることを説明したら、ようやくレフカダ・ヘブンは納得して、女中としての月給20円を渡してもらえました。

雨清水には雨がお似合いだ(朝ドラ『ばけばけ 第31回』の名言)
雨清水三之丞(俳優:板垣李光人)は「何とか、私を社長にさせてください」と頼み込んでしまい、相手先の会社で働く者たちから「世の中、なめすぎだろう!」と罵られます。
ついに、相手先の会社で働く者から「雨清水には雨がお似合いだ」と水をかけられてしまうのです。
いきなり社長にさせてくださいというのは、相手先の企業で働く者から『こっちは一生懸命になって働いていて、ようやく社員でいられるのに、図々しい』と思われても仕方ありません。
フトン、プリーズ(朝ドラ『ばけばけ 第32回』の名言)
ウメが、旅館の女将や主人たちに、松野トキがレフカダ・ヘブンの女中になったことを教えてあげると、女将たちはある提案をしてきました。
「おトキちゃん、ウメも一緒にいかせて、できるだけ二人っきりにはさせないから」
トキは、その言葉を聞いて安心しますが、ウメはお茶を取りに行く必要があり、レフカダ・ヘブンと二人っきりになってしまいました。
そんな時に、レフカダ・ヘブンから「フトン」と言われてしまうので、いよいよ体を委ねなくてはいけないのかと思っていたら「フトン、プリーズ」と言われます。
トキは『フトンの上で相手をするのではなく、フトンをしまってという事だったのか』と気づいて、安心しました。

二日酔いですが、不束者ですがよろしくお願いします(朝ドラ『ばけばけ 第32回』の名言)
旅館の主人たちは「おトキちゃんは、ヘブン先生の女中になる事を断ったって聞いていたから、そこまで暮らしがきつかったとは」と心配されます。
せめて、ウメを一緒に行かせて、レフカダ・ヘブンの夜の相手をさせないように配慮してあげますが、そんな時に松野司之介がやってきて、冗談を言い始めます。
「二日酔いですが……不束者ですがよろしくお願いします」
旅館の主人たちは、その冗談を聞きながら、トキがレフカダ・ヘブンの女中になった事を知られないように、あたふたしてしまうのです。
親父が生きているうちに返さんか(朝ドラ『ばけばけ 第33回』の名言)
森山銭太郎(俳優:前原瑞樹)が「借りた金を返さんか!」と言ってきたので、松野家の者たちは「こんな夜に」と迷惑がってしまいます。
「借金取りに、朝も夜もない、これが森山家の家訓だ」「なんじゃ、その家訓は!」
森山銭太郎と、松野家の者たちがやりあう中、取っ組み合いの喧嘩になりそうになった所で、松野トキが「あの、これを」と大金を渡します。
あまりの大金に、皆んなが唖然とする中で、森山銭太郎が「親父が生きているうちに返さんか!」と怒ってしまうのです。
森山銭太郎が家から出て行くと、松野トキが追いかけていき、さらに大金を渡すので「お前、なんで、こんなに」と驚いてしまうのです。

ゴクロウサマ、イキマショウ(朝ドラ『ばけばけ 第33回』の名言)
夜中になり、松野トキは、いよいよラシャメンとなり、夜の相手をすることを覚悟しましたが、レフカダ・ヘブンから「ゴクロウサマ、イキマショウ」と言われました。
松野トキは『え?終わりなの。帰っても良いの」と拍子抜けしましたが、家に着いて家族の顔を見たら、腰を抜かさんばかりに、倒れこみました。
家族は『きっと仕事で疲れたんだろうなぁ』と思って、微笑みますが、きっと松野トキは凄く怖かったことでしょう。
思い出はベラベラと話すものではありません(朝ドラ『ばけばけ 第39回』の名言)
レフカダ・ヘブンは、松野トキと一緒に人力車に乗って「ハジメテ、タノシイ?」と聞きますが、少し戸惑った表情を浮かべてしまいます。
錦織友一は「どうした?」と事情を聞こうとしたら、松野トキは「以前に、銀次郎さんと一緒に乗って」と教えられるので、そのことをレフカダ・ヘブンに伝えると不機嫌になってしまいます。
「オモイデハ、ベラベラトシャベルモノデハアリマセン(思い出はベラベラと話すものではありません)」

































